2023年10月29日(第44号) | ||
聖日礼拝 | ||
第1礼拝司会 : | 小室正彦兄 | |
第2礼拝司会 : | 梅田典晃兄 | |
奏 楽 : | 峯 弥生姉 | |
前奏 | ||
招詞* | 詩篇100篇1~5節 | |
賛美* | 539番 | |
祈り | ||
使徒信条 | 週報をご参照ください | |
賛美* | 66番 | |
牧会祈祷牧師 | ||
賛美* | 262番 | |
聖書 | 創世記22章1~14節 | |
説教 | 「キリスト者であること(6)」 | |
――試される人――喜多副牧師 | ||
献金 | 294番 | |
頌栄* | 541番 | |
祝祷*牧師 | ||
報告 | ||
(*の部分はご起立下さい。) |
「キリスト者であること(6)」
――試される人――
副牧師 喜多 大樹
彼にはひとつの望みがあった。それは、彼が生涯の中で、強く、強く求めてきた望みでありながら、決して叶わないと思われるものであった。神は彼を夜空に連れ出された。そこには無数の光が瞬いていた。神はこう語られた。「あなたの子孫はこのようになる」。彼は、神を信じた。*
神の約束を聞いて何年の月日が経ったのだろう。故郷を出発した時、彼はすでに七十五歳を超えていた。それから、五年、そして十年が経った。何も起こらない。十五年が経ち、さらに二十年を通り越す。何も起こらない。
妻は諦めた。彼もまた諦めた。夜空の星を見上げ、そこに輝いた光を数えてから、いったい何年が過ぎたのだろう。ふたりはこの間、別の方法によって望みを叶えようと思いを動かした。そして、イシュマエルという男子をもうけた。しかしこのことによって夫婦に亀裂が生まれた。誕生した子どもの母親が、アブラハムの妻サラを軽んじるようになった。
サラの心は限界を迎えていた。夫アブラハムもまた混乱の中にあって疲弊が極まっていたのだろうか。妻は大きな怒りを夫にぶつけた。ふたりで決めて行ったことは、結果として痛みとなり夫婦の前に現れた。何かが間違っているのかもしれない。けれども、神はどのようにして私たちに約束を与えると言うのか。彼の年齢は九十九に達している。
*
ついに神の約束は満ちた。妻サラによって息子イサクが誕生した。この日に至るまで、彼らはどれほど苦しんだことだろう。どれほど待ち望んだことだろう。決して望み得ないと思われたことは、神によって実現した。そうしてようやく喜びの安息を手にしたその時、神は再び彼の名を呼ばれた。